現在でも、結核の集団感染の発生はなかなか減りません。高齢者の間では、若い頃に感染しそのまま発病せずに眠っていた菌が、体力・抵抗力が低下した時に目を覚まし発病することがあります。
また、若い世代の多くは結核に感染しておらず結核菌を吸い込むと感染しやすく比較的早い時期に発病する事があります。このように結核に対するリスクがあるにもかかわらず、結核は過去の病気と思いこみ、症状が現れても本人も医師も気付かず、受診や診断が遅れ、集団感染につながる場合が増えています。
しかし、これまで述べたとおり、結核は注意していれば予防する事ができますし、もしも発病してしまっても薬を飲み続ければ治る病気です。また、タンの中に菌を持った患者からしか結核が感染することはありません。感染してしまったとしても発病する確率は10人に1人程度です。身近なところに結核が発生しても、過剰に恐れることはありませんが、心配な場合は最寄りの保健所にご相談下さい。
なお、結核は継続して治療が受けられるように、感染症法に基づく結核医療費公費負担制度により治療が公費により負担される場合があります。このような負担制度の詳細につきましても、同様に最寄りの保健所にご相談下さい。
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